節約を考えたとき、思い浮かぶものの1つに、生命保険の解約があると思う。
しかし、生命保険には節税効果があるという話を聞いた人もいるだろう。
解約と継続、いったいどちらが得なのか悩みますよね?
この悩みは、実際の節税額を調べることで簡単に解決します。
一見ややこしそうな計算に思われるかもしれませんが、計算に必要なところのみをまとめたので、とても分かりやすくなっています。
ぜひ、読んでみてください。
目次
保険加入で節税できる税金は2種類
保険に加入することで、節税できる税金は、所得税と住民税の2つ。
年末調整の際に、保険に入っていますよと言うことで、この2つの税金を少しだけ減額してくれるのだ。
保険加入による節税額の計算の流れ
具体的な節税額の計算に必要な項目は以下の4つ。
・住民税の生命保険料控除額
・所得税の生命保険料控除額
・住民税率
・所得税率
住民税の生命保険料控除額×住民税率で住民税の節税額が計算できる。
所得税の生命保険料控除額×所得税率で所得税の節税額が計算できる。
なので、まず先に、住民税と所得税の生命保険料控除額を調べる。
その後、住民税率と所得税率を調べれば、あとは掛け算するだけ。
簡単でしょ?
それでは順を追って調べ方を説明していく。
難しい単語などは極力排除して説明するので、安心してね。
所得税の生命保険料控除額を調べる
国税庁のホームページの【生命保険料控除】というページを見れば、早見表があるので、それを見れば、すぐに【所得税の生命保険料控除額】が計算できる。
この早見表を見るのに、必要な項目は以下の2つ。
・【年間の支払保険料等】=1年間に支払う保険料の総額のこと。
・生命保険を契約した日付=契約した時期によって、計算式が少しだけ変わるため。
今回は僕が、ついこの間解約した医療保険を例に実際に計算してみよう。
僕は月額2810円の医療保険に加入していた。
契約をしたのは、平成18年6月。
契約した時期から旧契約となる。
【年間の支払保険料等】は
2810円×12か月=33720円
となる。
早見表で見ると上から2番目に該当することがわかる。
上から2番目の計算式で所得税の生命保険料控除額を計算する。
旧契約の早見表
年間の支払保険料等 |
控除額 |
25,000円以下 |
支払保険料等の全額 |
25,000円超 50,000円以下 |
支払保険料等×1/2+12,500円 |
50,000円超 100,000円以下 |
支払保険料等×1/4+25,000円 |
100,000円超 |
一律50,000円 |
所得税の生命保険料控除額は
33720円×1/2+12500円
=29360円
となる。
所得税率を調べる
所得税率は【課税される所得金額】によって決まる。
なので【課税される所得金額】を調べる必要がある。
実は、この【課税される所得金額】が書いてある紙がある。
それは源泉徴収票だ。
(源泉徴収票が無い場合の計算方法も下のほうで書いているので、読んでね)
源泉徴収票の中に、【給与所得控除後の金額】という項目がある。
ここに書かれている金額が【課税される所得金額】になる。
【課税される所得金額】がわかったら、国税庁のホームページの【所得税の税率】のページを見てみよう。
以下のような表がある。
所得税の速算表 |
|
課税される所得金額 |
税率 |
195万円以下 |
5% |
195万円を超え 330万円以下 |
10% |
330万円を超え 695万円以下 |
20% |
695万円を超え 900万円以下 |
23% |
900万円を超え 1,800万円以下 |
33% |
1,800万円を超え4,000万円以下 |
40% |
4,000万円超 |
45% |
この税率というのが所得税率となる。
ちなみに僕の場合、所得税率は10%になる。
節税できた所得税を計算する
所得税の生命保険料控除額と所得税率が分かったので、さっそく所得税の節税額を計算してみよう。
計算式は簡単。掛け算するだけだ。
生命保険料控除額×所得税率=所得税の節税額
29360円×10%=2936円
保険に入っているので、所得税を2936円分、減額してもらえたということがわかった。
源泉徴収票が無い場合の所得税率の調べ方
【給与等の収入金額】から【課税させる所得金額】を計算することができる。
【給与等の収入金額】とは年収のことである。
なので、まず年収を調べてみよう。
年収とは1年間で得た給与とボーナスの合計金額のことである。
年収、つまり【給与等の収入金額】がわかると、【給与所得控除額】というのを調べることができる。
国税庁のホームページの【給与所得控除】のページを見てみよう。
給与等の収入金額 (給与所得の源泉徴収票の支払金額) |
給与所得控除額 |
|
1,800,000円以下 |
収入金額×40% 650,000円に満たない場合には650,000円 |
|
1,800,000円超3,600,000円以下 |
収入金額×30%+180,000円 |
|
3,600,000円超6,600,000円以下 |
収入金額×20%+540,000円 |
|
6,600,000円超10,000,000円以下 |
収入金額×10%+1,200,000円 |
|
10,000,000円超 |
2,200,000円(上限) |
例えば、年収が400万円の場合。
給与所得控除額は上から3番目の計算式で出すことができる。
4000000×20%+540000=1340000円
となる。
年収と給与所得控除額が分かったので、【給与所得控除後の金額】=【課税させる所得金額】を計算できるようになった。
計算方法は簡単、引き算するだけだ。
年収400万円―給与所得控除額134万円=266万円となる。
【課税させる所得金額】が266万円とわかったので、さっそく上記の「所得税の早算表」で所得税率を調べてみよう。
すると、所得税率は10%だとわかる。
住民税の生命保険料控除を調べる
まず、住民税の生命保険料控除額の早見表を探そう。
これは、都道府県の市役所のホームページに記載されている。
ちなみに計算式は全国共通。
都道府県による違いはない。
この早見表を見るのに、必要な項目は以下の2つ。
・【年間の支払保険料等】=1年間に支払う保険料の合額のこと。
・生命保険を契約した日付=契約した時期によって、計算式が少しだけ変わるため。
今回は僕が、ついこの間解約した医療保険を例に実際に計算してみよう。
僕は月額2810円の医療保険に加入していた。
契約をしたのは、平成18年6月。
契約した時期から旧契約となる。
【年間の支払保険料等】は
2810円×12か月=33720円
となる。
早見表で見ると上から2番目に該当することがわかる。
上から2番目の計算式で住民税の生命保険料控除額を計算する。
旧契約の早見表
年間の支払保険料等 |
控除額 |
15,000円以下 |
全額 |
15,000円超 40,000円以下 |
(年間正味払込保険料×1/2)+7,500円 |
40,000円超 70,000円以下 |
(年間正味払込保険料×1/4)+17,500円 |
70,000円超 |
一律 35,000円 |
住民税の生命保険料控除額は
33720円×1/2+7500円
=24360円
となる。
住民税率を調べる
これは実は調べる必要はない項目だ。
皆平等に10%と決まっている。
はい、終了。
節税できた住民税を計算する
住民税の生命保険料控除額と住民税率が分かったので、さっそく住民税の節税額を計算してみよう。
計算式は簡単。
住民税の生命保険料控除額×住民税率=住民税の節税額
24360円×10%=2436円
保険に入っているので、住民税を2436円分、減額してもらえたということがわかった。
保険加入による節税額の結果発表
減額された所得税は2936円。
減額された住民税は2436円。
合計で5372円の節税となった。
1年間に支払った保険料は3万3720円。
僕の場合、死亡保障込みの保険料だったので、全額が掛け捨てでは無かったが。
(死亡保障は解約すると、一部返金される)
それでも、毎年1万円以上、ドブに捨てていたことになっていた。
最後に
いかがでしたか?
今回は「生命保険加入による節税額の計算の仕方」を紹介しました。
ちなみに僕は10年間、医療保険に加入していました。
その10年間で支払った保険料と支払われた保険金、節税額を計算した結果、医療保険を解約することにしました。
詳しい話は
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