ちょっとした症状が大きな病気だった。
それが原因で退職することになった。
どうせ会社を辞めるんだから、節約のために出来る限りのことはやってみようと思った。
今回はそんな経験から得たことを紹介しようと思う。
目次
【仕事が原因かもしれない病気やケガ】
首・肩・肘・手首・腰・膝・足首などの関節の痛みやしびれ。目の痛みやカスミなどです。
僕の場合、手にしびれが出ました。
最初は夏場ということもあり、軽い熱中症かなと思っていたのですが、原因は肘にありました。
病名は肘部管症候群。
肘から手先にかけて、痛みやしびれが出る病気で、最悪の場合、手術が必要になる。
手術をしても後遺症が残る可能性がある。
後遺症が残って、障害年金を受給することになる人もいる。
そんな病気です。
発症原因は、仕事で肘を酷使したことでした。
このように、ちょっとした症状で一見仕事とは関係ないようなことに思うことでも、実は仕事が原因だということもあるので注意が必要です。
【基本中の基本】
このような症状が出た場合は、最悪のパターンを想定して行動してください。
最悪のパターンとは、その病気やケガが原因で会社を退職することになる、です。
現に僕は、肘部管症候群が退職する大きな原因の1つになりました。
手にしびれが出たときは、まさかこれが原因で退職するとは思ってもみませんでした。
なので、最悪の事態を想定し、すぐに病院に行ってください。
その行動が後々、すごく助かることになるかもしれません。
つまり、労災認定してもらうことで、治療費や休業補償などを受けれる可能性があるのです。
なので、できれば手続きを楽にするために、労災指定病院に行ったほうがいいです。
電話で病院に問い合わせれば、教えてくれるので余裕のある場合は確認してから受診したほうがいいでしょう。
ちなみに、労災指定病院でなくても、休業補償などは受けられます、手続きが少し面倒になるだけです。
あと、受診する病院は1つに絞りましょう。
病院の数が増えれば、それだけ申請書類の数が増え、面倒になります。
しかし、労災となると、会社との関係を心配する人もいるかもしれません。
そこで、パターン別で対処の流れを紹介していきたいと思います。
あと、労災にならなかった場合でも、早期の診察をオススメします。
理由の後ほど解説します。
【会社を辞める決心がついている人】
労災指定病院で、仕事で怪我をした、労災で診察してほしいと言えばよいです。
あとは、病院が労働基準家督署への治療費の請求などの手続きを済ましてくれます。
治療費を払うこともありません。
これが最も手続きが楽なパターンになります。
手続き後の審査で、労災と認められなかった場合は、後日、健康保険を利用し医療費の3割を支払うことになります。
【会社との関係を心配する場合】
労災で会社と揉めることを心配する気持ちはわかります。
それでも、病院には必ず行きましょう。
あとあと後悔することになるかもしれないからです。
早期治療したほうが治りが早いですし、労災申請するかどうかは気持ちを整理してからでもできますので。
労災指定病院にいき、仕事が原因かもしれないが、一旦、普通に診察してくださいと言いましょう。
診察後、健康保険で医療費の3割を支払って終わりです。
さきほど、労災にならなかった場合でも、早期の診察をオススメした理由ですが、それは健康保険の傷病手当や、最終的に怪我が原因で退職に追い込まれた場合、特定理由離職者として、雇用保険の受給制限が解除されるなどのメリットがあるからです。
しかし、このメリットを受けるには条件があります。
それは、医師の診断書が必要だということです。
診断書を書いてもらうには、症状が出てからすぐに診察してもらうことです。
症状が出てから、1カ月も2か月も経ってからだと、医師も診断書を書けないかもしれません。
なので、労災申請するしないに関わらず、できるだけ早く病院に行きましょう。
で、あとは、しばらく様子を見ましょう。
診察さえしてもらっておけば、それが証拠となります。
事情が変わって、労災申請する必要が出てきた場合もあとから申請することができます。
僕がそうだったように将来どうなるかわかりませんからね。
【後から労災申請する場合の流れ】
最初に言っておきたいのは、労災申請する権利は労働者個人にもあるということです。
会社はなんとか労災申請させないように、いろいろと言ってきますが騙されないようにしましょう。
まず、申請用紙を手に入れます。
申請用紙はネットダウンロードすることもできますし、労働基準監督署でもらうこともできます。
その用紙を会社に持っていき、会社の記入欄を書いてもらい、ハンコを押してもらいます。
そして、その用紙を労働基準監督署に持っていって、終わりです。
あとは、労働基準監督署が調査をしてくれます。
この調査は長い場合、3か月かかるそうです。
審査の結果、労災と認められれば、治療費の全額支給や休業補償などが受けられるようになります。
労災認定されたら、健康保険組合へ返金手続きをしなければなりません。
治療費の7割を健康保険で負担してもらっていたものを返金します。
これで手続きは完了です。
【労災で健康保険を使うのは違法!?】
本来、仕事が原因で病気やケガをした場合、労災で治療しなければなりません。
それを健康保険で治療するというのは、健康保険の不正受給になってしまうのです。
とはいっても現実問題、会社は労災を非常に嫌がり、認めようとしません。
理由は以下の5つ。
・業務上過失致死傷罪という犯罪が成立する可能性があること。
・行政処分を受ける可能性がること。
・労働者に対して損害賠償責任を負う可能性があること。
・会社が支払っている労災保険料の値段が上がること。
・労働基準監督署のチェックが入ること。
会社としては、デメリットしかありませんから、なんとかして労災を避けようとしてきます。
僕が以前いた会社では、労災を出すと成績が下がり、一生評価が上がらなくなると表だって言われており、それにより社員に労災申請をさせない労災隠しが行われていました。
いろいろと難しい面はあると思いますが、不正受給という詐欺行為の片棒を担ぐことはでくる限り避けたいものです。
【僕の場合はどうなったか】
結論からいうと、労災申請はしませんでした。
医師の診断では、仕事が原因である可能性が極めて高いとなり、その内容で診断書も書いてもらえました。
それなのに、なぜ労災申請しなかったかというと、理由は僕の病気の特徴によるものでした。
僕の病名は肘部管症候群といい、肘を酷使した場合になる病気です。
症状としては、肘の痛み、肘から手先にかけて、しびれが出るものです。
現在も治療中ですが、症状はだいぶ良くなり、いまはたまに肘に違和感が出るくらいにまで治りました。
この調子だともう少しで完全に治るでしょう。
酷い場合では手術をしても後遺症が残る人もいるようなので、本当に不幸中の幸いでした。
話を戻しますと、この病気は原因の特定が非常に難しいということです。
肘なので、仕事以外でも使いますよね。
歯磨きや髪を洗ったりといった日常生活でも肘は使います。
なので、100%仕事が原因だと断定しにくいのです。
このような病気の場合は、労災認定するための条件というのが労働基準監督署で定められています。
原則、この条件に当てはまらなければ、たとえ仕事が原因で病気になった可能性が極めて高くても、労災には認定されないということになるようです。
この条件には「どれくらいの期間その仕事に従事したか」などが記載されています。
僕の場合は、急性で症状が出たため、この期間に該当しませんでした。
「原則」という文字があるので、例外で認定してもらえるかもしれないと思い、労働基準監督署に問い合わせましたが、担当職員さんの回答は、「かなり難しい」でした。
制度説明の文言上、可能性はゼロと言えないだけで、実際は可能性がないようなニュアンスでしたね。
僕の場合、その仕事をしてから急に症状が出たのだから、仕事が原因以外考えられないだろと思うのですけど。
さきにも書いたとおり、仮に仕事が原因でも条件に該当しないと労災にはならないようです。
おかしな制度だなと思いつつ。
あとは、やれることと言えば、民事で訴えるくらいしかないようですね。
役所でよく聞くセリフですね。
結局、肘が順調に治っていっていること、労災認定の可能性がゼロに近いこと、転職の準備などで、不必要な労力をさきたくないことなどを考慮して、労災申請は辞めることにしました。
その後は、医師に診断書を書いてもらい、特定理由離職者として雇用保険の受給制限を解除してもらい、今に至ります。
労災認定はされませんでしたが、受給制限が解除されて本当に助かりました。
あと、特定理由離職者になると国民健康保険の保険料も安くしてもらえます。
このようなメリットがあるので、皆さんもぜひ早めの診察をオススメします。
【最後に】
いかがでしたか?
今回は僕のリアルな経験を書かしてもらいました。
僕が今回の経験から得た教訓は、一生懸命仕事をしても会社の反応は冷たい。
自分の体を大事にして、仕事はほどほどに。
ですね。
ありきたりな言葉かもしれませんが、ぜひ参考にしてみてください。